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教育
当山昌直先生特別講義「琉球列島の動植物方言」(當山奈那/専門:琉球語学)
7月4日、11日(月)に琉球語学野外調査I(担当:當山奈那)の授業で、ゲストスピーカーとして、当山昌直先生を招待し、特別講義を実施しました。
長年にわたって聞き取り調査されてきた琉球列島の動植物の方言とその利用について、解説してくださいました。「昭和10年生まれを境に、その前とその後とで生活の様相が大きく変化しており、その後に生まれた方は、動植物の利用についてもわからないという方が多くなる。生活とことばは密接に関係している。」と述べ、ご専門の立場から、ことばの記録の意義と伝統知の継承の必要性を説明されていました。
学生のコメントを一部紹介します。(抜粋・一部修正しています)
- 先生のおっしゃっていた「生物文化多様性」という言葉はとても納得でき、生態系とその土地の人たちが作りあげる文化の様相は複雑に絡み合って体系を成していることを考えました。
- 植物は生活の中での利用が多いですが、動物はカラスバトの鳴き声が子供の帰る合図であったり 、 キノボリトカゲが豚と闘わせる遊びに使われていたことなど、子供の遊びの中での関りが多くみられました。昔の子供の遊びも記録していく必要があると感じました。
- 方言がないものに関して、ないことにも意味があるということに気づかされた講義だった。リーフの外の動植物や、サガリバナのような夜のみに咲く花には方言名がないということが、彼らの生活を逆に想像出来る要素になっていた。一方でキノボリトカゲのような地域によって方言名があるようなものは、昔遊び等で多く触れられたもので、関わりが深いことがわかる。遊びの方法から名前が付いていることから、地域ごとのキノボリトカゲの認識がうかがえて、こちらもまた、地域の生活が伝わってくる面白い方言だと感じた。これらのことは方言名がなぜ存在するのかという本質的なことに関わるような面白い視点に感じるので、これから意識したい。